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美唄市の地域おこし協力隊・尾崎心音さんの5年間|おとなりハウスから、新たな挑戦へ
2026年10月15日

北海道・美唄市。2022年春にこの町へ移住し、地域おこし協力隊として3年間活動したのち、拠点「おとなりハウス」を続けてきた尾崎心音さん。今月末、そのおとなりハウスを閉じ、美唄での活動にひとつの区切りをつけます。10月17日・18日には、その節目となるイベントが開かれます。
ハヤシコーポレーションは、これまで尾崎さんの歩みを応援してきました。大学4回生で美唄と出会った一人の若者が、町の人たちに育てられ、自分自身と出会い直していった5年間。その日々を、尾崎さんの言葉とともに振り返ります。
大学4回生の夏、美唄と出会ったきっかけ
尾崎さんが初めて美唄を訪れたのは、大学4回生の夏のことです。周りが進路を決めていく中で、尾崎さんは自分の将来とじっくり向き合っていました。
「自分が一番やりたいことって何だろう、と考えたんです」
そこで浮かんだのは、「自然環境に近い暮らしがしたい」「自分で食べる野菜を、自分で育てたい」という想いでした。ちょうどその頃、美唄にある物件のことを知っていたことも重なり、尾崎さんは美唄へ足を運びます。夏に続いて秋、そして冬。季節を変えて何度も訪れたのち、翌年の春、美唄へ移住。地域おこし協力隊としての活動が始まりました。
根っこにあったのは、もうひとつの想いです。
「自分の居場所が欲しかった。まずは自分を幸せにしないと、と思ったんです」
環境にも、自分の心にも負荷をかけない暮らし。そんな暮らしをしていれば、そこに自然と人が集ってくるのではないか。尾崎さんの5年間は、この等身大の、けれどまっすぐな願いから始まりました。

おとなりハウスで積み重ねてきたこと
活動の拠点となったのが「おとなりハウス」です。自分たちが自分たちらしくいられて、自分の音を発信できる場所。そんな想いを込めた場所に、少しずつ人が訪れるようになりました。3年間の協力隊を卒業してからも、おとなりハウスは尾崎さんの手で続いてきました。

夏は農業体験、冬は冬暮らし体験ツアー。季節ごとに、美唄の暮らしそのものを味わえる機会をつくってきました。けれど、おとなりハウスの一番の特徴は、イベントの日だけでなく「いつでも来れる」場所であったことかもしれません。
5年間で、おとなりハウスを訪れた人は累計600人。その多くは、10代から30代の若い世代でした。地域に関心を持つ若者が多いことも、活動を続ける中で見えてきたことのひとつです。「自分の居場所が欲しい」という一人の願いから始まった場所に、これだけの人が集ってきたのです。

「誰かのためになっている」。そう感じられる瞬間が、確かにあった。数字だけでは測りきれないその手応えこそが、尾崎さんが美唄で積み重ねてきたものなのだと思います。
美唄の魅力|真っ白な景色が、悩む自分も受け入れてくれる
「頭がいっぱいの時でも、真っ白な一面が広がっているんです」
美唄の冬は、すべてを雪が覆います。手を加えられていない、そのままの自然。その景色の前に立つと、思い悩んでいる自分さえも、自然の一部なのだと思えたといいます。

四季がはっきりしていて、季節の移ろいを肌で感じられること。そして、良くも悪くも、今の状態をそのまま受け入れられること。
「そうやって悩んでいる自分も自然。それが自分なんだ、と思えるんです」
美唄の自然は、尾崎さんにとって、自分を責めずにいられる場所でもあったのかもしれません。
美唄での成長|町の人に育てられ、知らない自分に出会う
美唄に来た頃の自分を、尾崎さんはこう振り返ります。
「社会に出た実感もなくて、世間知らずで、地域のことも知らなかった。フラットな状態で、怖いもの知らずだったと思います」
そんな尾崎さんを育ててくれたのが、町の人たちでした。名刺を渡す練習から始まり、手取り足取り、さまざまなことを教えてもらったといいます。
一方で、大変だったこともありました。尾崎さんが挙げたのは、二人での暮らしです。活動も暮らしも、すべてを二人で。自分自身が心地よくいながら前に進んでいくことは、想像以上に難しいものでした。
「大切にしたいからこそ、お互いうまく言葉にできないこともありました」
その言葉からは、近くにいるからこそ生まれる葛藤と、それでも向き合い続けてきた時間が伝わってきます。
そして、5年間で尾崎さんが何より大きく受け取ったもの。それは、人との出会いでした。
「人に出会うたびに、自分が自分に出会う。自分の知らない自分に出会うんです」
かつての尾崎さんは、愛情というものがよくわからなかったといいます。自分への愛情の向け方も、わからなかった。けれど美唄では、家族ではない人たちが、ただただ与えてくれました。無条件に愛してもらえた経験は、やがて「自分を大切にしたい」という気持ちになり、その気持ちが人への愛情へとつながっていきました。美唄での成長とは、きっとそういうことだったのだと思います。
おとなりハウスを卒業して|「自分の手で、1から」新たな挑戦へ
おとなりハウスは、今月末で閉じることになりました。
「ずっと、閉じる覚悟ができなかったんです。自分にとっても必要な場所だったから」
それでも、フェーズを変えなければいけない時が来た。尾崎さんはそう感じています。
これから先も、自分の幸福度のために、自分の場所を持ち続けたい。そして次は、「自分の手で、1から作りたい」。美唄で受け取ってきたたくさんのものを胸に、尾崎さんは新しい場所づくりへの一歩を踏み出そうとしています。

美唄の方々へのメッセージ
最後に、美唄の皆さんへの想いを伺いました。
「本当に、社会も地域も知らないひよっこを、ずっとサポートしてくださいました。町の皆さんの優しさがなければ、私はここにいなかったと思います。美唄は、私のふるさとです。おとなりハウスは閉じますが、大切な町であることに変わりはありません。これからも、大好きな町です」

ハヤシコーポレーションから尾崎さんへ
ハヤシコーポレーションは、これまで尾崎さんの活動をサポートさせていただきました。
私たちが大切にしている言葉に「共育(共に育む)」があります。町の人たちに育てられ、そして自分もまた、訪れる若者たちの居場所をつくってきた尾崎さんの5年間は、まさに共に育み合う時間だったのではないでしょうか。
大学4回生の夏、自分の心に正直に「やってみよう」と美唄を訪れた、その一歩。その一歩がたくさんの縁を生み、おとなりハウスという場所を生み、600人もの人に美唄と出会うきっかけを届けてきました。
尾崎さん、5年間本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
これから始まる新しい挑戦も、きっと尾崎さんらしい音を響かせてくれるはずです。私たちもこれからも共に、その歩みを応援し続けます。
10月17日・18日。おとなりハウスの卒業を前に開かれるイベントが、尾崎さんにとっても、集まる皆さんにとっても、あたたかな時間になりますように。
RECRUIT
人との縁から、新しい挑戦が生まれていく
ハヤシコーポレーションは「共育(共に育む)」を大切に、地域や人との出逢いを力に変えてきました。尾崎さんのように、誰かの「やってみよう」を共に応援できる仲間と出会えたら嬉しいです。私たちの想いや働き方は、採用ページでもお伝えしています。
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